肝臓の代謝経路の一つです!
肝臓は生体の化学工場とも言われるほど、多彩な反応が行われています。
代表的なものに、エネルギー(ATP)の産生に深く関わる「TCAサイクル」、ブドウ糖を合成する経路である「糖新生」などがあり、そしてアンモニアを解毒する「オルニチンサイクル」が存在します。
そして、オルニチンサイクルの活性化は、アンモニアの解毒を促進させるだけでなく、アンモニアを減らすことでTCAサイクルと糖新生の代謝をスムーズにして、エネルギー産生のサポートに繋がると考えらえます。
その為、オルニチンは、肝機能を改善し、疲労回復を促進させるアミノ酸として知られているのです。
オルニチンサイクルとは?
アンモニアの増加は、エネルギーの産生を阻害し、疲労の元にもなるとも言われていますが、このアンモニアを分解するのがオルニチンサイクルです。
オルニチンサイクルは、尿素回路(尿素サイクル)とも呼ばれる、肝細胞内に備わっている尿素を合成する代謝回路です。
具体的には、有毒なアンモニアが発生すると、肝臓内のオルニチンと反応し、無毒な尿素へと変換されます。
尿素を産生した後、オルニチンは肝臓で再生されて再び、回路に入ります。
エネルギー産生をスムーズにします!
オルニチンサイクルの役割は、アンモニアの解毒だけではありません。
細胞のミトコンドリア内にあるTCAサイクルは、私たちの生活に必要なエネルギーの産生に関わる回路です。
しかし、アンモニアが発生すると、このTCAサイクルが阻害されてしまいます。
また、アンモニアがミトコンドリア内の酸化還元バランスを崩すことで、エネルギー産生の為の環境を悪化させる事が明らかになっています。
オルニチンにはアンモニアの分解を促進する働きがありますので、エネルギー産生の障害を解消して、エネルギーの産生にも大きく貢献しています。
沈黙の臓器を守る存在!
肝臓には痛みを感じる神経がありませんので、実際ダメージを負っていても自覚症状がなく、それゆえに「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
特に、現代人は肝臓をかなり酷使していると言われていますので、日々受けているダメージをしっかり解消することが大切です。
具体的には、しじみなどのオルニチンを含む食品をしっかり摂取したり、オルニチンサプリメントを摂取するなど、日頃から肝臓の健康に大事です。